輪廻転生
父のいる病棟に行くと、人生の儚さを感じさせられます。
父とほぼ同年代の人が十数人入院してます。緩和ケア病棟が普通の病棟と違うのは、患者同士が会話をしない事です。それだけ重症という事もありますが、話をするどころではない、切羽詰まった状況にあるという事です。同病相憐れむどころではないという事です。
それぞれに若い時があり、スポーツで名を馳せたり、一流大学を出たり、たくさんの部下を抱え、バリバリ仕事をしていたかも知れません。やがてそれらの全てが無に帰します。
ある意味、こんな平等な事はないでしょう。お金で健康が買えないように、死の免罪符も買えません。
見舞いに来る子供や孫たち、身近にある死に実感はないでしょう。傍観者のように、遠い遠い未来の事として。
でも、巡り巡ってやがて自分も老い、目の前の親や祖父母のように弱々しく臥せっている時が必ず来ます。
その時にはまたその子供や孫たちがベッドの傍らにいる事でしょう。
この繰り返し。輪廻転生とは、魂が不滅で生まれ変わりを繰り返す事ではなく、子々孫々と変わらない、逃げる事の出来ない人生を繰り返す事を指しているのではないでしょうか・・・
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