いつかきっと晴れる

うつ病、パニック障害との闘いと思い

無・・・

森田療法の本に治療事例として20歳の赤面恐怖症の患者が出て来るのですが、赤面恐怖症以外の症状として「精神刺激性、頭重、精神の朦朧感、多夢、注意散漫、記憶力減退、目には彩塵、残像のある事を苦しむ」とあります。


赤面恐怖に心のほとんどが奪われているのだから、注意力散漫や記憶力減退などは何の不思議もありませんが、「目には彩塵、残像のある事」が気になります。


森田博士が直接治療に当たった患者なのでかなり昔の事例です。当時は症状をそのまま記すしかなかったのだと思います。


「閃輝暗点」の事ではないでしょうか?


私がうつ病の身体症状として初めて経験し、その後も何回も出ている症状です。


「目の前で光がチカチカしているように見え、視野の一部が欠損し、円形のギザギザのようなものが現れるなどの視覚異常」です。通常は片頭痛の前駆症状として現れます。10~20分ほどで治ります。太陽をしばらく見た後に違うところに視線を移すと残像がチカチカして見にくくなるのに近いかも知れません。


大脳の視覚を司る視野中軸で一過性の血流不足が起こる為だとされてます。但し、狭い範囲の血流なので確認方法はないそうです。


今も昔も心が身体に与える影響は変わりないんですね。


ちなみに森田博士にとって一番難しかったのが、この赤面恐怖症で、神経症治療をやめようとすら思ったほどだそうです。


私自身にも赤面はありました。気にしなかったので赤面恐怖でも赤面恐怖症でもありませんでしたけど。些細な事を気にする私が周りの人に赤面を指摘されても気にしなかったのは不思議です。


緘黙の事に集中し過ぎていたので赤面は何も感じなかったのかも知れません。まさに般若心経の「無有恐怖(むうくふ)」です。「恐怖」だの「症」だのを付けると全て病気になってしまいます。「気にしない!」が真の治療法ですね。


「気にするもしないも無い」がその上を行くステージです。こうなれば、もはや治療法ですらありません。ただし、意識や意思、精神力でたどり着けるステージてはありません。もともと「何もない=病気でない」のですから、たどり着くも着かないもありません。


『人の意識が現実を想像するのであって、客観的な事物など存在しない』(ニールス・ボーア)


ボーアは、精神科医でも、心理学者でも、宗教家でも、脳科学者でもありません。


物理学者です。それだけに説得力があります。